自分でできるシロアリ対策のポイントをご紹介
「シロアリ対策って自分でできるの?」
「シロアリ対策っていったい何から始めればいいの?」
こんなお悩みを抱えてはいませんか?
せっかくこだわって建てた家をシロアリに食べられてしまうなんてことは、誰でも避けたいと思うはずです。
しかし、いざシロアリ対策をしようと思い立っても自分でできることなのか、プロに頼むべきか、迷ってしまいますよね。
実は、シロアリの被害を受けにくい環境作りや予防対策は、自分で簡単にできることも多くあります。
そこで今回は自分でもできるシロアリ対策のポイントについて、またシロアリの生態についてもご紹介いたします。
本編では手軽にできて、効果的なシロアリの予防対策を詳しくご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シロアリはなぜ発生するのか
• シロアリの侵入経路
• シロアリの発生しやすい時期
• シロアリの発生しやすい場所
シロアリ予防のポイント3選
• 木材への対策
• 換気対策
•土壌への対策
自分でできる対策とは
• シロアリが好む環境をつくらない
• 定期的なメンテナンスを行う
• 市販の薬剤で対策を行う
シロアリ対策のまとめ
シロアリはなぜ発生するのか
まず初めに、シロアリがなぜ発生してしまうのかを知っておきましょう。生態や発生しやすい場所などを知っておくことで、予防対策に活用することができます。
それではシロアリの発生についてご説明いたします。
♦ シロアリの侵入経路
シロアリは天敵や気象の影響から身を守るために地中に巣を作るということをご存じでしょうか?乾燥に弱いシロアリからすると湿度が高く、木材や植物の根などの食べものも揃っている地中というのは、安全に繁殖を行うのに適した場所であるといえます。
土壌中で巣を作ったシロアリは、食物を探しながら生息環境を確保するために移動しますが、そこで使われるので蟻道(ぎどう)と呼ばれるものです。これはシロアリが集団で食物を探し、巣と食物源との間を移動するための通路として使っているものです。
屋外の切り株や枯木、立木などから蟻道を作上げ、蟻道を使って地面から建物に侵入するというのがシロアリの侵入経路であると言えます。
シロアリは普段人目につかない巣の中で活動をしていますが、特定の時期になると羽アリとなって、巣から飛びだしてきます。この羽アリが建物の庭や建材に飛来してくることもあります。
こうしたことからシロアリの侵入経路は地面からの侵入と、飛来による侵入の2つのケースが考えられます。
♦ シロアリの発生しやすい時期
シロアリは人目につかない巣の中で活動をしていますが、特定の時期になると大量のシロアリが羽をつけた羽アリとなって、巣から飛びだしてきます。この羽アリの大量発生を見て、被害に気付くといったケースも多くあります。
日本では主に「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」という種類のシロアリが生息していて、種類によって発生する時期が違います。シロアリの種類と羽アリが発生しやすい時期についても、一緒に確認してみましょう。
【ヤマトシロアリ】発生時期:4月~5月
【イエシロアリ】発生時期:6月~7月
【アメリカカンザイシロアリ】発生時期:一年中
気温が徐々に高くなってくる4月ごろから羽アリの飛来が始まるとされていますので、予防対策をしようと考えている場合には春までに行っておくのがおすすめです。
シロアリが飛来する時期については上記が目安とされますが、シロアリ自体は1年を通して活動を続けています。巣の中では女王アリが常に卵を産んで、数を増やし続けています。
そのため飛来の時期に関わらず、シロアリの巣がある場合には一定数のシロアリが常に活動を続けています。
寒い時期になると活動が休止すると言われるシロアリですが、気温の高い日にはエサや水などを求めて活動を再開することもあるため1年を通して被害が進行する可能性があると言えます。
♦ シロアリの発生しやすい場所
シロアリは地中のような湿度が高く暗い場所に巣を作って活動していますが、シロアリの種類によって巣を作る場所などが異なることもあります。
効果的に対策を行うためにも種類と巣の特徴を知っておきましょう。
【ヤマトシロアリ】
• 定住せず食物を求めて場所を移動する
• 床下や水回り、天井裏といった湿度が高い場所で活動する
• 地中に巣を作り、蟻道を使って建物へと侵入する
【イエシロアリ】
• 地中に巣を作り定住する
• 乾燥している場所でも巣を作り活動する場合がある
• 巣をいくつも分けて活動するため駆除には技術が必要となる
【アメリカカンザイシロアリ】
• 乾燥した木材を好む傾向がある
• 外壁なども被害に遭うリスクがある
• 蟻道は使わずに飛んで移動を行うことから被害箇所が増えやすい
♦ 実際に建物の中でシロアリ被害に遭いやすいのはどこなのか?
【屋内】畳のある部屋/お風呂・トイレ・洗面所・キッチン(水回り)/押入れ/床下収納
【屋外】玄関/ウッドデッキ/ベランダ/庭
シロアリは木材に含まれるセルロースという栄養分が大好物です。こう聞くと、木材だけが被害に遭いやすいと思ってしまうかもしれません。しかし、段ボールや畳、コンクリートなども食べてしまうほどシロアリは雑食であることがわかっています。そのため、段ボールのごみを外に放置していると、シロアリを呼び寄せる原因になってしまうことが考えられますので油断は禁物です。
シロアリ予防のポイント3選
① 木材への対策
シロアリが木材を特に好む傾向があることはもうお分かりいただけたと思いますが、建物に使われている木材をしっかり保護することで、シロアリを寄せ付けないようにすることができます。
木材には防虫剤や防腐剤などを使用することが効果的です。防虫剤は昆虫や害虫を対象にした薬剤や処理を指します。防虫剤の中にはシロアリに対しても効果的なものがあり、木材や建材に塗布することでシロアリの食害を防ぐ効果が期待できます。シロアリの侵入を防ぐという面では効果的と言えます。
防腐剤は木材を腐朽や害虫から保護するために使用されます。木材に防腐剤を浸透させることで、木材が保護され、耐久性を高めます。しかし、防腐剤の主な目的は木材の耐久性を高めることでシロアリ対策となる防腐剤は一部である、ということは理解しておくと良いでしょう。
② 換気対策
シロアリは湿度の高い環境を好みますので、湿気をなるべくため込まないように換気を行うなど、建物内部の通気性を良くすることでシロアリ対策としても効果的が期待できます。
換気をしっかりとしていないと、湿度が高まりシロアリを引き寄せてしまう可能性がありますので、定期的な換気や適切な通気孔の設置で換気対策を行いましょう。
特に押入れやクローゼット、地下室など湿気のこもりやすい場所や、水回りなどの防水対策は定期的にメンテナンスするなどして、湿気をため込まないようにしておくのが最適です。
水漏れが起こってしまったときには早急に修理を行っておきましょう。
また、お風呂場などの換気は水回りの中でも重要です。
お風呂場は経年によって劣化してしまったタイルの隙間や、ひび割れてしまった箇所から、シロアリが侵入してきてしまうケースが多いです。
お風呂場のタイルやコンクリートの下は、土壌であることが多いので、湿気が溜まりやすい場所であることと、土壌から近いということによりシロアリが容易に侵入できてしまうようです。お風呂を使ったら浴室換気扇を使用して、なるべく他の部屋に湿気を移さないようにしましょう。
③ 土壌への対策
シロアリは地中に巣を作るとお伝えしましたが、侵入経路として最も多いのが地面に近い木材からの侵入です。そこで、土壌への処理を行っておくことでシロアリが建物へ到達するのを防ぐことができます。土壌への処理というのは、薬剤などを土壌へ散布する処理の事を言います。殺虫成分や防蟻剤が含まれた液体の土壌処理剤や、顆粒状の土に混ぜて使用する土壌処理剤が市販されており、こうした薬剤を土壌に散布します。ウッドデッキがある場合や庭でガーデニングをしているなど、地面が広く見えている場合にはこうした土壌処理を行っておくことがおすすめです。地中に巣を作り、蟻道を使って建物へと侵入するシロアリを地面から建物へ到達させないためにこうした土壌処理を行うことが効果的です。自分ではできない箇所の土壌処理はシロアリ駆除業者などに頼んで行ってもらいましょう。
自分でできる対策とは
ここからは自分で行うことができるシロアリ対策についてご紹介していきます。
① シロアリが好む環境をつくらない
まず、一番簡単に取り組める対策をとして「シロアリが好む環境を作らない」ということが重要となります。そのために今日から取り組めることをまとめましたので、参考にしながら実践してみてください。
木材や段ボールなどを庭や屋外に放置しない
使わない木材や木製家具、ダンボールなどをすぐに処分する、または家の中で保管するようにしましょう。
屋外や庭など、地面に近い場所や直接触れるような場所に木材を置いてしまうと地中のシロアリを呼び寄せることにもつながりますので対策しておきましょう。
• 鉢植えなど土に触れるもの、土に近い場所に使う木材に注意する
土に近い場所に使用する柵などには防腐処理を施す、鉢植えなどを移動させるときは建物の木材部分に置かないようにするといった対策を行いましょう。
• 水漏れや雨漏りを放置しない
水漏れや雨漏りを放置してしまうと木材も腐りやすくなってしまいますし、シロアリの好む湿度の高い環境を作ってしまいますので、早急に修理や換気を行っておきましょう。
• 換気口を塞がないようにする
換気口を塞いでしまうと、床下の通気や日当たりが悪くなってしまい、床下に湿気がこもりやすくなってしまいます。
② 定期的なメンテナンスを行う
シロアリは普段人目につかない場所に生息しているため、被害に気づくのが遅れてしまいがちです。そこで定期的に建物を点検するようにしましょう。
まず室内では特に押入れや和室の畳など、シロアリ被害に遭いやすい場所を定期的にチェックしておくようにしましょう。押入れは特に物や湿気をため込みやすいので、スノコを敷いたり、奥まで物を一杯にせず、手前に置くようにするだけでも湿気対策になりシロアリ予防に効果が期待できます。
畳がある場合には、畳が沈んだり、軋むことがないかを確認するようにしてみてください。もし不自然に沈んだり、柔らかくなっている場合にはシロアリの被害が深刻化している可能性もありますので、その場合にはプロに調査を依頼するのが安心です。
屋外では、コンクリートなどの外壁に隙間やひび割れがないかを確認してみてください。そうしたひび割れや隙間に、不自然な穴や土の塊ができていないか目視で確認を行うのも被害の早期発見につながるので効果的です。シロアリは0.6㎜ほどの隙間があれば、コンクリートにも侵入できてしまうとされていますので、通気口や窓周りの外壁にひび割れや土の塊がないかどうか、少なくても1年に1度は確認を行ってみましょう。
③ 市販の薬剤で対策を行う
現在では市販でもシロアリ対策の薬剤を手に入れることができます。例えば液体の土壌処理剤は、水で希釈して土壌に散布することで、土壌中の害虫の駆除や防除効果が期待できます。
顆粒状の土壌処理剤は、土壌に直接散布しますが、土壌深くに浸透させることで、シロアリの巣を含む広い範囲に効果が期待できます。
その他にも、土壌中にバリアを形成し、シロアリの侵入を阻止するためのキットや、建物の周囲に土壌処理剤を敷設し、シロアリの侵入を防ぐシステムなど、シロアリ対策に効果的な市販の薬剤は多くありますのでホームセンターなどでご自身が使いやすいものを試してみるのもおすすめです。
シロアリ対策のまとめ
今回は、自分でも取り組めるシロアリ予防に効果的な方法についてご紹介しました。
シロアリは暖かい季節になると活動が活発になるため、早い段階で予防対策を行っておくことがおすすめです。
自身での対策だけでは不安な場合や、シロアリが生息している可能性がある場合にはプロの業者に調査をしてもらったり、本格的な予防対策を依頼してみてもいいかもしれません。
シロアリの被害は目に見えないところで拡大してしまうため、被害が深刻化しやすいですが、適切な対策を行えば何年先も安心して暮らせる場所にすることができます。
まだ対策を行っていないという方は、これを機にシロアリ対策を行ってみてはいかがでしょうか。