世界最恐のシロアリ、イエシロアリについて

世界最恐のシロアリ、イエシロアリについて

更新

日本には20種類以上のシロアリが生息していますが、そのうち建物の木材に被害を与えるのは主に、ヤマトシロアリ・イエシロアリ・カンザイロシロアリの3種類です。

その中でも最も危険性が高いと言われているのが「イエシロアリ」です。

 

「もしかしたら、シロアリが発生しているかも…」

「近所でシロアリ被害が出たらしい」

「家の中で羽アリのような虫を見かけて不安」

 

シロアリがいるかもしれないと感じた時、いったいどれほどの脅威なのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、シロアリの中でも最も危険とされるイエシロアリについて詳しく解説していきます。

 

 

イエシロアリとはどういうシロアリなのか


イエシロアリとは、日本に生息するシロアリの1種で、建物をダメにする害虫として広く知られています。別名『タイワンシロアリ』とも呼ばれています。

 

木材を主な食料源とし、その内部に巣を作ります。とくに湿った木を好んで食べます。

 

イエシロアリは寒さに弱く、日本では主に西日本を中心とした温かい地域に消息しています。東日本の生息地はわずかで、神奈川県や千葉県、東京都の海岸沿いの比較的暖かい場所で見られます。しかし近年では温暖化の影響により、生息地域が年々拡大傾向にあると言われているので、イエシロアリの生息地ではないからと言って油断は禁物です。

原産地は中国から台湾にかけてと言われており、北アメリカ、アフリカ東部、スリランカ、ハワイなど、世界的に分布を広げています。

 

 

イエシロアリが最も危険とされるワケ


イエシロアリは、小さい体ながら「世界の侵略的外来種ワースト100」に認定されるほど世界でも恐れられ、最も加害が激しいと危険視されているシロアリです。

その理由は、コロニー(巣)の個体数が他のシロアリに比べて圧倒的に多く、ヤマトシロアリが最大で3万匹程度のところ、イエシロアリは最低でも5万匹、大きいもので100万匹の大集団ともなるためです。

それだけの数のシロアリが建物に侵入してくることを考えると恐ろしいものですね。

 

さらに、イエシロアリは木材を食べるスピードが速く、1日に自分の体重の約1/50の木材を食べることが分かっています。

人間に例えると、体重60キロの人が1日に1.2キロのご飯を食べるということです。1.2キロ、つまりお米8合分を1日で食べると考えると、イエシロアリがどれほどの量を食べるのかお分かりいただけるかと思います。

 

また、イエシロアリはヤマトシロアリと違って水を運ぶことができるため、低い位置から高い位置まで関係なく巣を作ることが出来るのです。

そのため、床下だけでなく壁や天井裏まで侵入するケースもあり、被害が拡大しやすいと言えます。

 

 

ヤマトシロアリとの見分け方


イエシロアリは、同じく日本に生息するシロアリの一種である「ヤマトシロアリ」とよく似ていますが、イエシロアリの方が全体的に大きいです。羽アリで7~8mm、働きアリで5~7mm、女王アリは大きいもので40mmに達します。

 

ヤマトシロアリは頭でっかちで、イエシロアリは頭部が卵型で身体が胴長なのが特徴です。しかし、とても小さな体であり、どちらも白色や透明な色をしているので、肉眼で見分けるのは難しいかもしれません。

しかし、下図の写真を見比べてみてください。

  

イエシロアリの羽アリ

 

ヤマトシロアリの羽アリ

 

羽アリで見てみるとイエシロアリは黄色味がある見た目をしているのに対し、ヤマトシロアリは黒っぽいので見分けがつきやすいでしょう。

 

また、羽アリの活動時期も異なり、イエシロアリは5~7月の夕方~夜にかけて、ヤマトシロアリは4~5月の午前~昼にかけて繁殖のために一気に飛び立つ、結婚飛行と呼ばれる群飛が行われます。

この2種類の羽アリが一緒に出会うことはないので、いつ群飛が行われるか把握しておくとイエシロアリとヤマトシロアリを区別することが出来ます。

 

 

イエシロアリの巣の特徴とは?


シロアリの巣は大まかに、3種類に分けることができます。

 

1つ目は、食べた木材をそのまま巣として利用するタイプ

2つ目は、蟻塚を作るタイプ

3つ目は、食料とする木材とは別に、地中などに固定の巣を作るタイプ

 

その中でも、イエシロアリは、固定の巣を作るタイプに含まれます。

イエシロアリは自分たちで巣を作り、そこを拠点として食料となる木材を探し食べて生きています。

そのため、イエシロアリの被害に遭った木材には食害の後だけ残され、土はほとんどついていません。

 

それに対して、ヤマトシロアリは食べた木材をそのまま巣として利用するタイプなので、被害に遭った木材は土にまみれて汚れているのが特徴です。

 

 

巨大な巣を作るイエシロアリ


イエシロアリが巣づくりをする際に使うのが、自身の分泌物や土です。

自分の唾液や排泄物と土を混ぜ合わせることによって粘土のような素材を作り、それを器用に張り付けながら、網目状の層が何重にも重なり合う巨大な巣を作っていくのです。

この巨大な巣のことを「本巣(ほんそう)」と言い、直径1メートルに達するケースもめずらしくありません。

 

 

イエシロアリは広範囲に巣を作るから怖い


また、本巣とエサがある場所との間に経由地となる「分巣(ぶんそう)」と呼ばれる巣を様々な場所に作る習性があります。

イエシロアリは既述した通り、自分で水分を運んで木材を湿らせて食べるため、エサから離れた場所でも巣を作ることがあります。他のシロアリと違って行動範囲が広く、建物で言うと床下、壁内部、天井裏から子屋根裏に至るどんな場所でも巣を作る可能性があります。

本巣と分巣を合わせると半径100メートルにも及ぶ場合もあるというから驚きです。

一度でも侵入を許してしまうと非常に厄介で危険なシロアリであることがお分かりいただけたかと思います。

 

 

蟻道(ぎどう)があればシロアリは確実にいる


シロアリは、空気の流れや光を嫌うため、地表を歩いて移動することはありません。

「アリ」と言っても普段私たちが目にする黒アリとは全く違う生き物で、シロアリは地中の暗闇の中を移動するのです。住宅にたどり着いたシロアリは暗闇の床下から建物に使われている木材を目指して地中から地表に上がってきます。

そして、地表や柱の表面を移動する際は「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるトンネルの道路を作ります。この蟻道は建物の基礎部分や外壁、柱によく見られます。

 

 

イエシロアリの蟻道は大きいから見つけやすい


イエシロアリの蟻道は幅が広く非常に大きい造りをしています。断面を見てみると中には2本の道が出来ていることが多く、1つは水取り専用の「水取り蟻道」と呼ばれ、この蟻道を使うことによって水を高い位置まで運ぶことができるのです。

 

一方、ヤマトシロアリもたくさんの蟻道を作りますが、いずれも細い線のように華奢な形状をしていることが多いです。

 

シロアリの種類によって蟻道の造りも変わってくることが分かります。

蟻道を見てシロアリの種類を見分けることもできそうですね。

ただし、イエシロアリでも細い蟻道を作ることや、ヤマトシロアリの蟻道でも幅のあるものも中にはありますので注意してください。

 

 

イエシロアリによる被害は住宅へどの程度影響するのか


既述した通り、シロアリ被害を受けると家の木材が食べられてしまいます。

特に注意したい床下には「根太」や「大引き」など家の主要構造材があり、これらを食べられてしまうと床が抜けやすくなるだけではなく、家全体の構造に被害が及ぶ可能性があります。

 

そして床下と並んで注意したいのが柱の被害です。

柱がシロアリに食べられてしまうと柱の内部がスカスカになり、強度が弱くなります。そのため、地震などの強い衝撃に耐えられなくなり、柱が折れて家が傾く、家が倒壊してしまうなどの深刻な被害につながることがあります。

 

上記以外の場所であっても、被害が進行すると家を構成する木材の多くがシロアリに食べられてしまう危険性があるため、放っておくと大規模な修繕やリフォーム、もしくは家全体の建て替えが必要となるケースも出てくるでしょう。

 

そのためシロアリ被害には早期発見、早期対策が重要となります。

そうすれば被害が小さく、その分修繕も早く簡易的なもので済む可能性が高くなります。

 

 

近所でシロアリ被害!ウチは大丈夫なのか?


近所でシロアリ駆除をおこなったあとに、近隣の住宅に被害が出ることがあります。

これは、シロアリ駆除のトラブルでよくあるケースです。

 

理由として挙げられるケースは3つです。

 

ケース1.シロアリをすべて駆除しきれずに、残ったものが自宅に侵入してくる

  イエシロアリの場合、死滅させるためには巣にいる成虫の全てに薬剤をまくことが必要です。しかし、巣の状況などによってすべての成虫を死滅させることが難しい場合、自宅に侵入してくる恐れがあります。

 

ケース2.シロアリが発生した住宅の廃材などが自宅に接触し、そこからシロアリが移動してくる

  イエシロアリは近所の家の廃材などをエサにして大量発生することがあります。大量発生し巣が大きくなると、巣を分けるために隣地の自宅まで侵入してくることがあるのです。

 

ケース3.近所の木材や家具にいたシロアリが飛んでくる

  イエシロアリは土の中に巣を作るので、突然被害が消える、ということは考えにくいです。また、羽アリは様々なところから飛んでくるので、近隣の住宅から飛んでくる可能性が無いとは言えません。

 

近所の方がしっかり駆除してくれれば、地中に住むシロアリが自宅に侵入するのを防いでくれます。

今回説明したケースは、自分が被害に遭った側の立場でお話ししましたが、逆に自宅が原因で近隣トラブルになることもありえます。

 

「お宅の駆除が原因で、うちにシロアリが発生した」

「あなたの家から羽アリがうちに飛んできた」

 

このようなトラブルにもなりかねません。

被害者にも加害者にもなりたくないのは当然の心理です。

 

近所のシロアリ駆除が原因で、自宅に被害が出た場合は、はじめにシロアリ駆除の専門業者に相談しましょう。

専門業者に相談せず自分で駆除して被害が拡大した場合、ご近所トラブルに発展する恐れがあります。

 

また、自宅のシロアリ駆除により近所にシロアリ被害が出るケースもありますので、その場合もまずは専門業者に相談するようにしましょう。

日ごろからシロアリ対策をおこない、シロアリを自宅に寄せ付けないようにしたいですね。

 

 

無料床下調査を実施しています


床下はダニやカビの繁殖が起こりやすく、専用の装備を着用しないと身体に悪いため、一般の方が床下に入ることは非常に困難です。

 

私たちは、シロアリ駆除の専門業者であり、「シロアリの床下無料診断」をおこなっております。

実際に床下に入り、シロアリがいるかどうか、シロアリ被害は出てないか、予兆はないか調べることができます。

調査、お見積もりをご依頼いただいたからと言って強引な営業は致しません。また、シロアリがいないと判明しても無料のままですので、ご安心ください。

 

少しでも不安がある方はこの機会に「シロアリの床下無料診断」してみませんか?

お気軽にご相談ください。

 


↓