「シロアリ」という生き物をご存じですか?
実際にシロアリを見たことがある方は少ないかもしれませんが、シロアリという言葉自体は聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
「これってシロアリなの?」
「シロアリって放っておいたらダメなの?」
「シロアリがいたらどうなるの?」
シロアリは一般的に『家の木材を食べてダメにする悪い生き物』とよく言われていますが、実際にはよくわからないまま過ごしていて実はシロアリ被害が深刻化していた・・・なんてことになったら大変ですよね。
この記事ではそんなシロアリについて詳しく解説いたします。
シロアリとはどういう虫なのか
シロアリとは木材を主食とする昆虫で、特に湿った木を好んで食べます。
体長はわずか4.5mm~大きいもので9.4mm程度ととても小さい体をしていますが、住宅などに使われる木材をよく食べボロボロにしてしまうほど、とても危険な害虫なのです。
シロアリは、光・風・空気などに直接触れることを嫌います。
肌(外皮)がとても弱く、光に触れると紫外線の影響で大きなダメージを受けてしまうため、地中深くの大木の根元や、住宅の床下にコロニー(巣)を作り、光の当たらない場所で生活しています。
そのため私たちの前には滅多に姿を見せることがなく、実際に見たことがある方は少ないでしょう。
シロアリは「アリ」ではなく「ゴキブリ」の仲間
シロアリは「アリ」という名前が付いていますが、実はアリとは全く別の生き物です。
私たちが普段目にすることが多い普通のアリ「黒アリ」は、生物学上ではハチの仲間に分類されていますが、シロアリはゴキブリの仲間と分類されています。
なぜアリではなくゴキブリの仲間なのかと言うと、シロアリの誕生に由来しています。
今から1億5千万年も前、ゴキブリの「キゴキブリ」から分化して、シロアリが誕生したとされています。
キゴキブリは私たちが思い浮かべるゴキブリとは異なり、枯れ木を食べるゴキブリです。そこから独自に進化を遂げたのが現在の「シロアリ」なのです。
シロアリとアリの共通点
では、なぜゴキブリの仲間であるシロアリが「アリ」という名前を付けられたのでしょう。
それは、見た目がよく似ているからです。
しかしそれだけではありません。
もう1つ重要な共通点があり、社会性を持っているという点です。
シロアリもアリも、女王と王を中心に集団を作り、それぞれ階級が存在します。この集団は家族集団であって、人間の社会とは大きく異なります。
女王や王を含め、すべてのシロアリやアリは自分の役割を持っているのです。
人間とは異なるシロアリの世界
シロアリは社会性をもつ生き物だということをお話ししましたが、その中には様々な階級が存在します。
それぞれの特徴は以下の通りです。
【王・女王】
1つのコロニー(巣)に対して1ペアずつ存在し、巣を創設したペアであるシロアリです。コロニーの中のもっとも奥深い安全な場所で生活し、卵を産んで子孫を残すことに専念します。他の階級のシロアリに比べて非常に長い寿命を持ちます。
【副王・副女王】
万が一王や女王のどちらか、または両方が傷ついたり死んでしまった場合には、その代わりとなり巣を継続させます。特に女王の代わりとなる副女王は実質的には女王の分身にあたり、「クローン」であることがわかっています。
【羽アリ】
シロアリの種類によって色が異なり、黒っぽい見た目をしているものと、黄色っぽい見た目をしているものがいます。時期になると繁殖のために一気に飛び立つ、結婚飛行と呼ばれる群飛を行います。この群飛でメスとオスがペアとなり、コロニーを作り始め、後の王・女王となります。
【兵アリ】
コロニーを外敵から守る役割を果たし、兵隊アリと呼ばれることもあります。
コロニー周辺のパトロールや緊急事態にしかコロニーの外に姿を現すことがありません。
職アリと比べてアゴが大きく発達しているのが特徴です。
【職アリ】
コロニーの中の9割以上のシロアリが職アリであると言われており、働きアリとしてエサの採取、女王が産んだ卵や幼虫の世話、巣の拡張など様々な役割を果たします。
シロアリが住宅にもたらす被害とは
私たちの住宅に侵入したシロアリは、どのような被害をもたらすのでしょう。
シロアリは、先述の通り木材を食料としているので、住宅に侵入すると柱や壁、床下の基礎部分の木材などが食害されてしまいます。
気付かないまま放置していると家中の木材が食べられ、住宅倒壊の危険性や、駆除・修復工事が高額になってしまうケースもあります。
さらに、シロアリが食べるのは木材だけではありません。
畳や段ボール、プラスチック、さらにコンクリートまで食べてしまいます。
そのため、木造住宅の家はもちろん、鉄骨造や鉄筋コンクリトートの家も油断は禁物です。
どんな住宅にもシロアリ被害に遭う可能性はあるのです。
シロアリが発生しやすい3つの場所
1.湿度が高い場所
シロアリは水分を含んだ木材を好んで食べるため、湿度が高くなりやすい床下やお風呂場、洗面所、日の当たりにくい家の北側は特に被害を受けやすいと言えます。
また、畳は元々、湿気を吸い部屋の湿度を調整する役割があるため、湿気を含んだ畳はシロアリに狙われやすくなります。
2.温度が適温の場所
日本を代表するシロアリである2種で比べてみると、ヤマトシロアリで12~30度、イエシロアリでは30~35度程度で活発に活動します。
ほとんどのシロアリは6度以下では活動しなくなると言われていますが、動きが鈍くなるだけで冬でも活動を完全に停止することはありません。
また、現代の住宅は高温気密断熱住宅が主流なので、家の中全体が高温多湿になりやすいため、以前よりシロアリにとって高環境であり活動しやすくなっています。
3.外敵がいない場所
シロアリは外敵から身を守るため、地中や木材の奥深くにコロニー(巣)を作り、繁殖します。
また、外敵が侵入できないよう基礎部分とポーチの隙間や、玄関タイルとドア枠の付け根など狭い隙間を侵入口にします。
シロアリの天敵は、黒アリやカエル、ツバメ、トカゲなどが挙げられます。
シロアリセルフチェック
上記の通り、シロアリは普段目につかないような床下や壁の中で繁殖するため、ある程度被害が進行してからでないと気づけないことも珍しくありません。
しかし、気付かなくてもシロアリ被害は進んでしまうので、なるべく早く発見することが重要です。
自宅ですぐに出来るセルフチェックを紹介します。
【自宅や近所で羽アリを見た】
既述した通り、シロアリは時期になると羽アリとなり数千羽が一斉に飛び立つ群飛を行います。
そのため羽アリを見かけたらシロアリが近くにいることは間違いないでしょう。
群飛を行う時期はシロアリの種類によって異なり、ヤマトシロアリは4~5月、イエシロアリは5~7月頃とされています。
ヤマトシロアリの羽アリ
イエシロアリの羽アリ
【蟻道(ぎどう)がある】
蟻道とはシロアリが土で作ったトンネルの事です。
ヤマトシロアリやイエシロアリは乾燥と光に弱いため、移動の際は必ず蟻道を通ります。
家の基礎コンクリート、玄関ドア枠や框(かまち)、押し入れ、風呂場、脱衣所などの隙間に作られることが多いので確認してみましょう。
【床や畳がふかふかする】
床下がシロアリ被害に遭うと、床材を支える木材の強度が低下するため、床や畳がふかふか、ブカブカと柔らかくなり、隙間やきしみが出てきます。
【柱の空洞音】
柱を叩いてみてください。
「ポコポコ」や「コンコン」といった乾いた空洞音がする場合はシロアリ被害に遭っている可能性が・・・。
白相は木材の内部から食べていくので、外面は問題無くても、内側はボロボロだったなんてこともあります。
【過去の雨漏りや水漏れの跡がある】
何度もお話している通り、シロアリは湿気を好みます。
そのため、過去に雨漏りや水漏れがあった場所がきちんと乾いていないと、シロアリを呼び寄せる原因となってしまいます。そのような場所は改めて確認しましょう。
【築5年以上経過している】
新築の際は、シロアリ防除薬剤の施工が義務になっていますが薬効成分の揮発などから法律で薬剤の効果は5年以内と決められています。
なので、建ててから5年以上経過している家には、新築時の薬剤の効果が残っていないのです。
シロアリ予防効果を継続させるには、定期的に予防対策を行うことが必要です。
自分でできるシロアリ対策
一度でもシロアリに食べられてしまった木材は元に戻りませんし、耐久性も下がってしまいます。
シロアリ被害に遭わないようにするために、普段からの対策を心がけましょう。
1.庭や基礎(家の下部のコンクリート部分)周りに木材や段ボールを放置しない
木材や段ボールはシロアリを呼び寄せるエサとなります。
エサを見つけて食べたシロアリが続いて近くの自宅に侵入する恐れがあるため、木材などの廃材をシロアリのエサになるものを外に放置するのは大変危険です。
すぐに処分するか、家の中で保管するようにしましょう。
2.基礎の換気口をふさがない
家の基礎にある換気口がふさがっていると、床下の通気や日当たりが悪くなるため床下に湿気が溜まりやすくなります。
シロアリは暗く湿った環境を好むので、床下の湿度が高いとシロアリに侵入されやすくなるのです。
また、基礎部分が物や雑草で隠れていると、その部分がシロアリの侵入経路になる恐れもあります。
家の周辺にコンテナや植木鉢などを置く場合は基礎にくっつけるように置かず、数センチ程度間隔を空けるようにしましょう。
3.室内の換気をよくする
浴室やトイレ、和室、押し入れ、玄関など湿気が溜まりやすい場所は、こまめに換気しましょう。
【室内の湿気対策】
•浴室やトイレの換気扇を24時間付けたままにする
•和室の畳を時々上げて裏側を乾燥させる
•和室の座布団や布団を敷きっぱなしにしない
•押し入れは定期的に開けて風を通す
•押し入れの底に防湿シートやすのこを敷く
•玄関の床を水洗いしない
•靴箱の中に物を詰め込み過ぎない
•室内の換気については毎日した方が良いとされています。使っていない部屋も定期的に窓を開けて喚起すると良いでしょう。
専門業者のチェック・予防が確実
シロアリのセルフチェックや予防についてお話ししましたが、一般の方が実際に床下に入り隈なくチェックするのは非常に困難です。
シロアリのサインを見逃し、気付いた時には被害が拡大してしまっていた・・・なんてことになりかねません。
少しでも不安な方、心配がある方はプロにお願いするようにしましょう。
私たちは、シロアリ駆除の専門の業者であり、「床下無料診断」をおこなっております。
実際に床下に入り、シロアリがいるかどうか、シロアリ被害は出ていないか、予兆はないか調べることが出来ます。
調査、お見積もりをいただいたからと言って強引な営業はいたしません。また、シロアリがいないことが判明しても無料のままですので、ご安心ください。
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